* “パニパニ”とは宮古島の方言で「元気いっぱい!」という意味なのだ  

2004.10.5



「 海人(いんしゃー)体験・狩俣追い込み漁 」



狩俣漁港


 こんにちは。宮古も秋の訪れを感じ、風が涼しくなってきました。
来島した年は年中泳いでいたのに、年々根性無しになってきた私は、そろそろ海も入り納めかな〜。
そんな秋の気配を感じた事もあり、今回は狩俣の追い込み漁を見学して来ました。

追い込み漁とは、沖縄地方の伝統的漁法で、漁師が直接海に入って網をしかけ、その網を徐々に狭め魚を追い込んでいくという、独特の漁法です。
寒い地方では漁師が直接海に入ろうなんて考えないだろうし、体を張った非常にワイルドで南国的な漁ですよね!

 

 当日は朝8時半、狩俣漁港を出発!
狩俣は宮古島北方(池間島手前)に位置し、私は狩俣ハーリーでもお世話になった海と漁師の土地です。
また宮古の中でも、古くから伝わる独特の伝統や文化、まつりごとなどをとても大切に守り続けている土地柄でもあります。
本来は、八重干瀬付近で漁を行っているそうですが、この日は強風のため、狩俣漁港から船で15分程の大神島付近での漁となりました。

早速漁師さんが、海に入り潮の流れを見てポイントを決めます。3隻の船でぐるっとポイントを囲み網を張っていきます。そして、徐々に網を縮めて行き、魚を追い込んで行きます。
思っていたよりずっと大きく網を張るのでその分時間もかかるし、その間は船上待機。ウズウズ・・・。

網が仕掛けられ、ある程度魚を追い込んだ状態で、漁師さんから「海に入ってよし!」の合図が。やった〜!網の側まで一生懸命泳いでいくも、網が大きくてどの辺りに魚がいるのかわからない。網の外をチマチマ泳いでいる間に、1本目はいつの間にか水揚げされてしまっていた。
しまった。当たり前ですが、漁師さんは漁を見せるためではなく生活をかけて漁をしているので、魚がかかればとっとと水揚げしちゃいます。
しかも、長年の潜水ですっかり鼓膜がやられ耳も遠くなっているのでとってもマイペース。
イカン、これはお客さんとしてのほほんと乗っていたのではダメだ、私が気持ちを切り替えて漁師さんに必死でついていかねば!


いざ漁へ出発!

まず網を仕掛けていきます

 続いて2本目のポイントへ移動。今度は遅れを取らないようにと、船上で早めに潜水準備。合図と共に少々フライング気味に海へ。
急いで網に近づいてみると・・・わぁ〜魚がかかっている。網が大きいのでシュノーケル気分で魚を見ながら網の周りをゆっくりぐるっと泳いでみる。漁師さんは素潜りでどんどん海の底まで潜り、珊瑚に引っかかっている網を外したりと自由自在の抜群の潜水力。

しかもフィンもつけずに・・・恐るべし!私もマネして引っかかった網を取ろうと潜ってみるも、ウエットの浮力で全然深く潜れない。
仕方なくシュノーケルを続けていると、一人の漁師さんが「鮫がいっぱいかかった!行ってみろ!」と教えてくれた。え、え〜鮫ですか・・・!しかも船に上がるんじゃなくて近寄って見ろって・・・一体!?と思いながらも、漁師さんの指差す方向に泳いでいってみると・・・そこにはなんと「サメ」ではなく「カメ」がいっぱい網にかかっているのでした。
何だ〜私の聞き違いかあ〜とほっと一安心。


恐るべし漁師さんの泳力

網にかかった魚たち


網にかかったカメはとっても挙動不審で、そんなカメと目が合ってしまった。カ、カワイイ!!!
ふと、宮古に来た当初、居酒屋でそうとは知らず「ウミガメの刺身」なるものを食べてしまった自分を思い出す・・・ゴ、ゴメンよ〜。
と、いうことはこの愛くるしいウミガメちゃんもまさかお刺身に!?と不安になるも、カメはその重さで網を破ってしまったり漁の邪魔になるそうでちゃんと、漁師さんが網の外に逃がしてあげていました。良かった。(カメの捕獲は禁止されているらしく?一体私が食してしまった刺身は何だったのでしょう?まさか密漁???)それにしても、網の外に放たれて逃げるカメのスピードの速いこと!

普段ダイビングやシュノーケルでウミガメに遭遇することもあるのだけれど、その時の優雅な泳ぎとは大違い。目にも留まらぬスピードで一目散に逃げ去って行くのでした。よっぽどコワかったんだろ〜な。あれじゃとても竜宮城での恩返しには連れて行ってもらえまい、と確信してしまいました。
よく見ると、小判鮫も2匹ほどかかっていて、これまたパニックをおこしてかウミガメのお腹に張り付いたりしている。ちょっと無理があるのでは・・・。


ウミガメ

水揚げカメの救出シーン



 そんな大物や、カメを網から出したら、いよいよ水揚げ。色とりどりの魚が、大量にかかっている!すごい。
漁師さん達総出で舟の上に引き上げますが、何とも重そう。私たちはその迫力ある様子を興奮して海中から見上げるばかり。
水揚げが終わり続いて私達も船上に上がると、早速獲れたての魚を漁師さんがさばいてくれる。宮古でグルクンと並ぶベーシックなお魚「イラブチャー」南国の魚らしく鮮やかな青色だけど、中身はキレイな白身で味にクセも無い。チャチャっと海水で洗い、あとは醤油とお酢をぶっかけて、肝を混ぜて食べる。
まさに漁師の料理。もちろん、サイコーにうまい!泳いだ後でおなかがすいてる事もあり、いっぱい食べる。普段お刺身ってちょっとしか食べないから、こうも大量に刺身を食べる機会も珍しい。う〜ん満足!

イラブチャー
(見た目は真っ青だけど刺身は癖が無い)
 

こんなに大量の刺身を食べるのは
初めての経験!

 既におなかいっぱいになって漁港に到着。
港に到着後はあっというまの手際の良さで陸に上げられ分配されていきます。こうして新鮮な魚が食卓に並ぶんだな〜と感激。
さあ、おなかもいっぱい、大満足で帰ろう〜っと!と行くはずもなく、ここからが第二ラウンド。漁師さんとのディープでエンドレスな飲み会がスタートするのでした。
普段無口だし耳の遠さも手伝い、なかなかコミュニケーションが取れず、ちょっとおっかなびっくり接していた漁師さん達と、ちょこっとだけ距離が縮まったような気がした楽しい飲み会でした。

そして・・・昼間のビールは効く!朝の早起きや、船に揺られたことや、泳いだ後だったこと、そしてもちろん楽しかった事など含め諸々の条件が揃い、自分でもびっくりするくらいあっという間に酔っ払ってダウン。
しかし、漁師さんは「さあ、ビールが無くなったからそろそろオトーリ回すか」ですって。やっぱり海人はすべてにおいてツワモノなのでありました!


大漁!大漁!

狩俣漁協の皆さん。
だいず(かなり)酔っ払ってま〜す。



 なんとも渋くカッコイイ狩俣漁師のおじぃ


 今回お世話になった狩俣漁協では、宮古の海の美しさ・自然の素晴らしさを知ってもらおうと、地元・狩俣中学の生徒を対象に15年にも渡り、追い込み漁体験を行っています。
生徒たちは追い込み漁をするに当たり約1ヶ月半に渡る海洋実習を重ね、素潜りの仕方から始め、海の中で自分の命を守る術などを覚えていくそうです。

中学時代のこうした貴重な体験は子供達にとって大きな財産になることでしょう!
 

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